馬のフィジオセラピスト?

こんにちは。障害馬術取材チームです!
全日本障害馬術大会2018PartⅠを取材にいった私たちが出会ったのが、競技馬を陰でサポートしてくれているフィジオセラピストの存在です。
競技馬と選手をどういった形でサポートしてくださっているのか、お話を伺いました。

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◆エマさん 
オーストラリアで理学療法士の資格を取得されたあとに、取得の難易度が高いといわれる、馬の理学療法士の資格を取得されたというフィジオセラピストのエマさん。
普段はオーストラリアのオリンピックチームで活動されており、リオオリンピックの際にも選手と馬の活躍を陰で支えていた、縁の下の力持ちです。

元々ロッドコーチとお知り合いだったということや、クレインの選手からもフィジオセラピストがほしいというご提案があったとのことで、今回初めてクレインのサポートで来日してくださいました!
今回の全日本障害馬術大会に出場した、クレインの馬すべてを担当されています。

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※写真:馬の体温を測るエマさん

【エマさんに一問一答】
Q.普段はどのような仕事をされていますか
A. 馬のマッサージや、故障した馬のリハビリトレーニングなどです。騎手と馬が最良の状態で大会に臨めるようコンディションを整えることを目的に仕事をしています。

Q.なぜ馬の理学療法士の資格を取ろうと思ったのですか?
A.人間の理学療法士の資格を持っていましたが、子供の頃から馬が大好きで、馬に関わる仕事をしたいと思っていたので、勉強して馬の資格も取りました。

Q.この仕事のやりがいはどこにありますか。
A.馬にとっての良い環境づくりや、馬をあらゆるストレスから守ることにつながっているという点だと思います。私は馬術競技のファンでもあるので、競技馬と選手の負担を減らし、パフォーマンスを上げることに貢献しているという実感が持てて、やりがいを感じています。

Q.世界各国でご活躍されているのですか
A.今はシドニーを拠点に、オーストラリア全土で活動しています。オーストラリアのオリンピックチームには常駐していますし、世界選手権でノルマンディーに行ったこともあります。2016年のリオオリンピックに同行した際、コーチをしていたロッドさんと知り合って、ご縁があり今回初めてクレインの馬を担当しました。

余談にはなりますが、国際競技ではフィジオセラピストを連れて行くのは当たり前なんですよ。イギリスのオリンピックチームはフィジオセラピストだけでも6人ついていくほどです。競技馬、選手、コーチ、獣医、装蹄師、フィジオセラピストが1つのチームとして戦っている国はやはり強いです。

Q.今後も日本で活動されるご予定はございますか
A今回の全日本大会が楽しかったので、またぜひ関わりたいです。日本はまだ馬のフィジオセラピストがあまりいないので、積極的に手助けができたらと思っています。

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※写真:(左から)エマさん、通訳の茶谷さん、ロッドコーチ

フィジオセラピストのエマさんにお話をお伺いしました。ありがとうございました!
馬術競技を開催する上では、フィジオセラピストの他にもたくさんのスタッフがサポートをしてくれています。
機会があれば、そういった方々にもインタビューをさせてもらい皆様にお届けしたいと思います!

ちなみに、この12/15に『馬のためのグルーミング完全ガイド−WORLD-CLASS GROOMING for Horses−』が発売されます。
乗馬クラブクレインの瀬理町芳隆も監修に参加、グルームとは馬のケアや管理を専門とする人、世界選手権やオリンピックなどでは、監督やコーチとともに正式なメンバーとして登録される重要な人です。

そのグルーム界のTOPに立つ二人キャット・ヒル氏とエマ・フォード氏が書いた本です。
馬を知る上で、非常に大切なことが書かれています。
ぜひ、この機会にどうぞ。
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参照:Amazon

12月6日は「音の日」・馬の「耳」の不思議

 12月6日は「音の日」なのをご存知ですか?発明家のエジソンが、自ら開発した蓄音器で音を録音・再生した事から、それを記念し、日本オーディオ協会により制定されたそうです。世界ではじめて流れた蓄音器の「音」。どんなだったのか...気になりますね!

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 馬達はどのように「音」を聴いているのでしょうか?馬の聴覚はとても敏感で、様々な「音」を聴く事ができます。草食動物である馬は、物音にいち早く気づき、危険だと思うことがあればすぐ逃げられうよう、五感の中でも特に聴覚が発達してきました。人間の可聴域(聞き取ることの出来る音の範囲)の上限が2万ヘルツといわれているのに対し、馬の上限はおよそ3万ヘルツといわれています!今回は「音の日」にちなみ、音を聞くための「耳」を特集したいと思います。

 馬にとっての耳は、周りの状況をいち早く判断するため物音を良く聞こえるだけでなく、感情を表す部位でもあります。馬の気持ちを知りたい時は、耳をみると一目瞭然!馬が何を思っているか知ることができます。耳は前や後ろに倒すことができるだけではなく、左右別々に180°動かす事もできます!


では、いくつか代表的な動きをご紹介!
①ピンッとたてる
注意を惹く音が聞こえた時、驚いた時には、真っすぐ耳をたてます。音に注目している感じです。

②ピクピクと動かす
不安な気持ちの時など、色々な方向に動かします。人間なら不安でそわそわ、ウロウロ歩きまわる時のような感じでしょうか。

③横向きに少し開く
耳を立てたままの状態で軽く開いている時は、リラックスした状態の時です。
体調が悪い時、ぐったりしている時も似たような形になるので注意が必要です(リラックスの時よりもさらに下のほうに垂れ下がります)

④後ろに寝かせ、ぴったりとつける
怖い、嫌だ、痛い、怒っている(興奮や威嚇)などの気持ちの表れです。人見知りの馬などは、人が前を通った時に耳を伏せる子もいます。耳がこの状態の時は、いきなり触ったりせず、何か怒っているのか...、不安なのか?と、よく観察してあげましょう。

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 耳が良く聞こえすぎてしまう分、人はそれほど気にしない音や、気づいていない音に、驚いたり怖がったりしてしまう事もあります。乗馬クラブでも、物音に敏感な馬達には「メンコ」や「イヤネット」という耳あてのようなアイテムをつけてあげる事があります。耳が覆われるので、軽い耳栓のような効果があるんですね。最近ではデザインのカワイイものも多くでているので、ほかの馬具とカラーを合わせて、ファッションとしても楽しまれている方もおられます♪

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 犬や猫などの動物にくらべると、感情を表現するために、鳴いたりすることが少ない馬達ですが、その分「耳」を使い、沢山の感情表現をしてくれています。そのことに気づくと、馬との距離がもっと近くなるのでは?と、思います。今度馬にあった時は、ぜひその「耳」に注目してみてください。きっと何か伝えてくれているはずです。

そして・・・
エジソンさんの最初の録音、気になったので...。「メリーさんの羊」を歌ったそうです。そして、その歌は実話を基に作らているそうです。メリーさんが子羊ではなく、仔馬を飼っていたら、もしかしたら「メリーさんの仔馬」とかになったのでしょうか...?。ちょっとした雑学でした。