艶々ピカピカの話

艶々ピカピカの話

 毎日豆を挽いて、ぽわっと膨らむ粉を見ながらコーヒーを入れる至福の時間。深入りの豆は特に艶々と黒光りしています。美しく深い色を眺めながら、何かに似ているなと思っていたのですが...先日とうとう気づきました。「この美しい色合いは馬の毛艶にそっくり!」と(笑)
馬の馬体は、なぜあんなにもキラキラ艶々と光り輝いているのでしょうか?今回は馬の毛艶の話です。

 珈琲豆の艶々の正体は豆の油分で「コーヒーオイル」と呼ばれるものです。この艶々成分は生豆ではあまりわからず(生豆はくすんだ黄緑色)焙煎する事により、油分が表面を被い輝きます。深煎りがコクや深みを感じるのは、このオイルのおかげなんです!一方、馬達の艶々(毛艶や)の正体は何でしょうか?

辞書で調べると...毛づやとは
『馬の栄養、健康状態が端的に現われるのが毛づやである。つやつや光って見えるのは栄養十分、運動状態もよいし内臓の疾患もなく、健康状態であることを示している。不健康な馬は毛につやがなく、毛が立ってボサッとしている』(Weblio辞書より)と説明がありました。

 コーヒー豆と同じく、馬の毛艶の元も体の油分です。皮膚を守る体毛から油分が出て、しっかりと油膜が張ると、美しい天使の輪(毛艶の光の環)が現れます。毛の艶が悪い=内臓の調子が悪い、体の銅不足などが考えられるので、馬の健康状態を観察する場合は「毛艶や」はかならずチェック項目に入ります。馬はもともと胃のつくりが小さく、牛などと異なり、胃の内容物を吐くことができない構造になっているので「疝痛(せんつう)」という腹痛にとてもなりやすい動物です。腹痛といっても侮ることはできない、馬にとってはとても怖い症状で、場合によっては手術をしないと助からなかったり、命にもかかわる内臓疾患なので、早期の発見はとても大事です。軽い症状や、悪化していなければ「曳き馬」といって、軽く散歩のように歩くだけで改善する場合もあります。早期発見はとても大切で、見えない内臓の状態を知る鏡のような存在が「毛艶」です。

 人間も馬と同じように肌艶は体調と大いに関係します。腸は内臓、肌は外臓とよばれ、腸がきれいで調子が良いと肌も美しいそうです。ストレスやホルモンバランスの乱れも顕著に髪に現れます。顔が黒ずんできたら内臓疾患に注意というのは有名ですね。馬も人も毛の艶は健康と直結した大切なバロメーターなんですね。

 
〇馬の毛艶を出すお手入れ方法、アイテム 

・ゴムブラシ、毛ブラシ、プラスチックブラシ、金ブラシ
沢山の種類があるブラシ類。汚れを取ったり、マッサージの効果もあり、目的に応じて使い分けます。

・シャンプー・トリートメント
馬専用のものがあります。汚れを取ると同時にハリ艶コシを出します。葦毛用のホワイトニングシャンプーなども!

・テールスプレー
特に尻尾のもつれをとき、つやを出します。競技に出場する際は必須アイテム。美しく編み込まれた輝く尻尾は、馬場馬術などでは特に重要になります。
11.jpg

・亜麻仁油
腸の調子や毛艶を整える為に与える補助飼料。体の中からサポートします。

・サプリメント
蹄や被毛の健康成分のビオチンやオメガ脂肪酸などの入ったサプリメント

 人も馬も美しい毛艶を維持していくためには、ストレスの無い心、そして体も健康であること、日々のお手入れが大切になってきます。ぜひ馬達のお手入れの際は心を込めて、優しくお手入れしてあげてくださいね!


written by Okanami

参考ページ
https://www.merchandize-mart.com/original34.html
https://www.jra-f.co.jp/
https://imagine100.jp/18_hada/

メニュー