初老ジャパンに聞いてみました!

インタビュー

初老ジャパンの二人、北島隆三選手と田中利幸選手への質問をみなさんから受付しました。馬、馬術に関わることから様々な質問が!なるべく、正直に!?お答えいたします(笑)

乗馬をはじめようと思ったきっかけは?

ー「お二人が乗馬をはじめようと思ったきっかけは?」

北島「小学校のときに競馬のゲームをしていて、騎手になりたいと思ったのがきっかけですね。」

田中「僕は動物が好きだったから。」

ー「お二人ともクレインの乗馬体験から始めていますよね。」

北島「そう、新聞のちらしで乗馬体験の案内があって、クレイン加古川に乗りに行きました。」

田中「家のポストに乗馬体験のチラシが入っていて、それを見てクレイン湯布院に体験に行きました。そのあと家の近くのクレイン福岡で習い始めましたね。」

ー「クレインってすごいですね・・そしてお二人はオリンピック選手に・・これからも地道な活動を続けていきます!」

馬に関わる仕事以外ならどんな仕事をしたいですか?

田中「花屋さん、お花屋さん、実家が花屋なので。」

北島「生まれ変わっても馬の仕事をする!」

田中「だから、してなかったらという話をしていてさ、生まれ変わるとか聞いてないし(笑)」

北島「うーん、じゃあ船酔いするけど漁師!船酔いするけど・・・」

今までで一番記憶に残っている馬は?

田中「やっぱ全部ですよね、レベルによって、ステップアップするにあたって、その馬が先生だし、だから、一番記憶に残っている・・」

北島「いやいや、この方は一番が聞きたい(笑)うん、僕はジャストチョコレートかな、初めて国際大会に出場した馬、2014年仁川アジア大会に出場しました。」

田中「僕は、オリンピックで初めてだったらマーキードプレスコかな、2012年ロンドンオリンピックに出場した馬です。」

馬に名前をつけるとするとどんな名前をつけますか?

―「馬に名前をつけるとしたら、また、今まで出会った馬の名前で、かっこいいと気に入った名前はありますか?」

田中「名前はあまり気にしないですね・・」

北島「そうだね・・回答になっていないけど、かっこいい馬とかはあるかな」

田中「見栄えとか・・」

―「見栄えだったり、乗ってみてだったり?」

田中「もちろん、立ち姿だったり、かっこいい馬、そういった馬はだいたいいい馬ですよね。」

北島「ティンカなんかは、俺、絶対一目惚れ」

田中「ジェファーソンは顔がかっこいいですね、シュっとしていてジッとしていて」

―「擬態語が多いですね(笑)けど、なんとなくわかります。」

コンビを組む馬を選んだ理由はなんですか?また、牡馬か牝馬どちらが好き、苦手はありますか?

北島「牝馬が好きというか、振り返ってみると牝馬が多かった。」

田中「僕はセン馬が多かったかな・・牝馬にはあまり乗っていない。特に性別は気にしていないけど、選んだ結果がその性別だった。」

―「パートナーとなる馬を選ぶときは何を基準にしているんですか?」

田中「今乗っている馬ですよね・・試乗してフィーリングがあったから、うん、フィーリングですよね、乗り心地だったり、馬との関係性だったり、やっぱりフィーリングですよね。」

北島「タイミング、出逢い、あとはトライしたときのフィーリング。」

―「フィーリングって説明するの難しいですよね・・好き嫌いですか?」

二人「好き嫌いだね」

北島「乗った時のこの動きが好き、とか合図へのこの反応が好きとか、そういう感じですね。」

馬の、ちょっと困ったなぁというエピソードありますか?

田中「冬着から夏毛に変わる時の抜ける毛がムズムズする。困ったなって、少しアレルギーがあるから。」

北島「うーん、なんでしょう?今まで・・ないかな!」

馬と仲良くなる一番のコツは?

北島「馬、その馬のことを知ること」

―「どうやって知るんですか?」

北島「時間を一緒に過ごす、年月を」

田中「あと、乗るだけじゃなくて世話もする。この方は一番のコツは?って聞かれていますね。」

北島「馬のことをよく見てあげる。」

田中「嫌がることをしない。褒める。」

北島「うんうん、褒めるのが一番だね、よくできたら褒めてあげる。」

―「どうやって褒めるんですか?お二人は?」

北島「よしよしよしよし!(イメージはムツゴロウさん)」

―「本当ですか?(笑)」

田中「乗っているときは、ポンポンと首をたたいてあげるくらい。」

北島「はいはい、今は警戒していますね~、耳が伏せていますからね~、そういうときはですね~〇〇してあげるんですよ~」

―「いつまでやるんですか(笑)」

田中「無茶苦茶や(笑)」

馬の叱り方、暴れた時の対処法を教えてください。

―「次はさっきと逆の質問です。馬の𠮟り方、暴れたときの対処法ですね。」

田中「馬が暴れるときは・・・ブレーキをかけるかな」

北島「暴れるにもいろいろありますからね、跳ねるとか、走るとか、反転するとか、いろんな暴れるがあるので一概には言えないけれど、とにかく馬にまたがっているとき、鐙に足をかけた瞬間から、もっと言えば厩舎から出してくるとき、常に警戒はしておかなきゃいけないよね。何かあるかもしれない、という緊張感が必要。」

田中「乗っているときは基本姿勢がちゃんとできていたら、馬の雰囲気を察知する、察知することができれば、動きについていける。」

北島「うん、その察知する能力がついてくる。暴れそうになったときに早めに対処できる。大事にならない。そうでなくても、動物なのでイレギュラーはあると思って、常に警戒はしておく。」

―「馬の叱り方については?」

田中「基本的には叱るというシーンはないですね。」

北島「馬がその行動を起こすには理由があるから、叱る前になんでそういう行動をするのか観察する、理解するのが先かな・・例えば、腹帯を締めるとき嫌がるのであれば、なるべくやさしく締めてあげるとか。いきなりギュッと締めたら嫌ですよね。」

馬に対しての恐怖心を克服する方法はありますか?

田中「レベルを下げてやるしかないですよね。常歩で恐怖心がなくなれば、次、速歩で。速歩でやって、恐怖しなければ駈歩で、駈歩で恐怖心があれば速歩に戻して、ちょっとずつもう慣れていくしかないかな。難しいことをせず、シンプルなことをやることが恐怖心をなくせる方法かなと。」

乗馬が楽しく感じないときはどうしたらいいですか?

田中「楽しくないということは、壁にぶつかっているから、もう1回初心に戻るために・・大体うまくいってない時は人の姿勢が崩れている時だから、動かせなかったり、合図が伝わらなかったり・・そうですね。やっぱ基本が大事なので、もう1回レベル下げて基本を見直していくと開けてくるかなと思います。」

北島「なんか一旦技術とか考えなくて、馬の上で何かしなきゃいけないっていうのをいっぺん取り除いて、純粋に馬の上で揺られる。うん。乗馬でゆったりとした時間を過ごす。何かやらなきゃいけないっていう思いが多分すごく強くて、それがやっぱりうまくいかないので、もう1回シンプルに、かわいい馬と一緒に過ごす。」

―「自身で怖かったときはありますか?」

田中「今はないですけど、昔はなんかやっぱ落馬した後はね、ちょっと怖いかなとはありましたけど。」

北島「うーん、僕は基本的にないかな。」

駈歩しながらの手前変換が速歩におちてしまうのですが、どうしたらいいですか?

北島「馬のバランスが伸びているからですね。」

田中「巻乗りできる駈歩を練習してください。その駈歩で手前変換をしてみてください。」

競技会の時など、緊張をほぐすヒントをください。

田中「イメージトレーニングをする。競技のイメージトレーニングをする。」

北島「たくさん経験する。経験あるのみ、たくさんトレーニングして経験する。」

競技会当日、初めて会った馬で出場できますか?

田中「レベルによりますね。レベルが高ければ高いほど、それはできないですね。低ければできるかも。」

障害ってどうやって乗るんですか?

北島「踏み切ってジャンプ!」

―「そうなんですが(笑)・・もっと詳しく。」

北島「基本的には障害はいい駈歩を作ってあげて、バランスよく踏み切りの位置まで持ってきてあげるのが人の仕事で、障害飛越は馬だと。飛ぶのは馬の仕事。」

―「人はその時どうしたらいいですか?」

田中「その動きに随伴する。やっぱりバランスをキープしてついていく。邪魔にならないように基本姿勢をキープする。」

―「馬のギアをどこまで上げて、どう抑えるのか見極めが難しいです。という質問もあります。」

北島「状況によって違います。その馬にあった。その馬にあったその馬のいい駈歩がなんなのかっていうのを知ることが必要。その馬ににあったギアを探してください。」

―「見極めが難しいと言っていますが、障害飛越を失敗したらダメな駈歩ということですね。」

北島「速すぎるか遅すぎるか・・」

田中「馬の反応を見るしかないですね。どこまでいったらダメなのか。」

北島「だから失敗して、次どうするか解決策を見つける。」

―「障害馬術の難しいところは?」

北島「障害を越えなければいけないところ(笑)うーん、やっぱり馬に勢いがついてくるところじゃないかな、その勢いがある中でコントロールが難しくなってくる。上のクラスに行けば行くほど難しい。」

田中「スピードがついてくるからね。」

北島「障害の選手はやっぱりフラットワーク※1が上手くできるかできないかやっぱり大きい。その馬との約束事をきちんと作れるか作れないかが鍵なんじゃないかな。」

※1障害を飛ぶ前の準備運動のことです。

馬に自分の重さを感じさせない騎乗を目指していますが、何が必要でしょうか?

北島「ある程度。体重はむしろ逆に馬に感じてもらってもいいと思うんだけど。」

田中「馬に苦痛を与えない騎乗ではないですかね。馬の邪魔をしないってことかな、重さは別に重かろうが軽かろうが、邪魔をしない乗り方、それには基本姿勢が大事ですね。」

正反動で跳ねないコツが知りたいです。良い力の抜き方は?

田中「骨盤を、座骨をキープした状態で力を抜くとかじゃないですか。基本姿勢が大事。」

北島「正反動は、その人だけの姿勢だけじゃなくて、馬の状態にもよって正反動しやすい、しにくいがあるから。同じ馬でも、うん、やっぱり馬がしっかりリズムよく動いていて、その人を持っていってくれるぐらい前進気勢がある状態だと、うん、割と製正反動しやすくなる。馬の状態にもよりますよ。」

田中「特にね、やっぱり、足の位置が大事なんで、立ちやすいところの位置で保っていかないと揺れが抜けない。で、抜くのは膝とかかと、くるぶしで抜いていくんで、膝曲げとかなダメですね。」

普段どんなトレーニングをしていますか?

―「馬のトレーニングについてですね。」

北島「総合馬に関してはフィットネスも必要になってくるので・・」

田中「心肺機能やね。」

北島「競技が近くなってくると4日か5日おきぐらいにギャロップに行って心肺機能を高めるトレーニングもするし、もちろん障害のトレーニング、馬場のトレーニング、いろんなことしなきゃいけないんで、ただ、ほとんど毎日同じようなトレーニングをすることがない。うん。もう常にいろんなトレーニングをしつつ、少しずつ高めていっていると。」

―「その時のシーンによって日々違うトレーニングをしていってるみたいな感じですかね。」

田中「あとは競技に向けての逆算してトレーニングを組むって感じですね。」

普段乗る時に意識を置いていることは何ですか?

田中「馬が気持ちよく動いてくれるようになる。気持ちよく、馬が楽しく、馬自身がね、楽しくハッピーにな状態で乗るように意識する。色々な課題があるけれど、その課題をやるにしても、馬が第一優先で。」

北島「やりすぎない。冷静に。やっぱり熱くなりすぎない。トレーニングをもっとしたくなるけど、やりすぎない。」

―「やりすぎるやりすぎないの判断ってどこでするんですか。」

北島「馬が疲れてきたりします。でも、そこの判断が難しいからトレーナーがいる。客観的に見てくれているトレーナーがいる。」

田中「やらなあかんときはやらなあかんし。うん。難しいっすね。難しい。それはもう経験ですよね。大体やりすぎればうまいこといかない。」

馬術に目覚めたきっかけは何ですか?

北島「できないことが多かった。すごくできないことが多くて、自分と同じ馬でも上手く乗っている人がたくさんいた。」

田中「同じ、同じく自分が乗ると上手くいかないのに、他の人が乗ると乗れる。なんでやねん。くそっ!と思いながら練習していた。上手くなりたいっていう一心で競技に目覚めた。やろうと思ったきっかけです。」

尊敬している馬術選手は?

北島「アンジェラ・タッカー」

田中「・・・アンジェラ・タッカー」

―「お二人のトレーナーですね。」

普段馬に乗っているとき以外でしている体作り、運動ってありますか?

北島「フィットネスでバイクはやるかな、人の心肺機能を高めるために。」

田中「有酸素運動、特に総合馬術は体力を使うから、息が上がらないように心肺機能を高めるトレーニングをする。自分は筋トレももしますね。」

北島「乗馬に必要ない筋トレだけどね(笑)この人は体絞るためにやっている。」

食事管理はどうしていますか?

北島「油をとらない。カロリーを気にする。今まであんまり考えてこなかったけど、この年齢とともに・・うん。やはり食べすぎる。飲みすぎるのは良くない。体に肉がついても落ちない。ある程度体重は気を付けています。」

―「まさに初老ジャパン(笑)」

田中「タンパク質、炭水化物をメインにとっています。筋力に必要ですから。」

リラックスするときは?

田中「モーニングコーヒーを飲む。」

北島「リラックスするとき・・晩飯娘と食べている時かな。」

―「人がリラックスしている時ですね。」

北島「温泉!」

田中「温泉!・・やっぱり朝のコーヒーかな。」

日本に帰国してまず食べたいものは?

北島「寿司!和食がいいね。」

田中「そうそう、刺身!」

―「イギリスでは食べられないんですか?」

田中「食べられなくはないけど、そんな種類もないし、新鮮なサーモンぐらいしかないです。」

お正月はのんびり過ごせますか?

―「最後の質問です。お正月はのんびり過ごせますか?」

北島「過ごしたい!家族と一緒にのんびり過ごす!」

田中「過ごしたいです。日本の正月を過ごしたい!」

―「では、ゆっくりと日本の正月を過ごしてくださ(笑)今日はありがとうございました。」

いかがでしたでしょうか?お楽しみいただけましたら幸いです。

2026年は午年!皆様も良いお年をお迎えください。

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