~青森の極寒に暮らす馬~ 寒立馬(かんだちめ)
こんにちは。「立春」を迎え、暦の上では春の訪れですが...大寒波到来で、まだまだ寒いですね!東北の寒さのニュースを聞いていると、あまりの気温の低さにびっくりします。 最高気温が氷点下とは...、どのぐらい寒いのか想像もつきません。(ご苦労されておられる皆さま、申し訳ございません...。)
暑さよりは寒さに強い馬達ですが、あまりに寒かったり、急激な気温の変化が予想される時など、クレインでは「馬着(ばちゃく)」という馬用のガウンのようなものを着せて寒さを和らげてあげたりします。本来の目的は、"寒さ対策"というよりは、"寒さによる冬毛の生えすぎを防止する"ことです。乗馬クラブという環境で暮らしているため、冬毛が多くなりすぎると、ブラシが通りにくいため汚れやおが粉が取れず、皮膚病等になってしまったり、運動の後、汗ばんだ体が乾くまで時間がかかりすぎて冷えてしまったりと、馬にとってマイナス面が大きいからなんです。人が服を着るのとは少し意味合いが違いますね。前回のブログで伊藤装蹄師が言っていた言葉。『馬を正しく理解する』。これもその一つかもしれません。
では、今回の本題、日本で暮らす極寒に打ち勝つ馬のおはなしを・・・
寒い地域、暑い地域に住む馬たち、それぞれ特性は違いますが、中でも"極寒に強い"といわれる【寒立馬(かんだちめ)】という馬をご存じでしょうか? 調べてみましたのでご紹介いたします。
サラブレットとは異なるずんぐり体系。この馬たちは青森県の天然記念物です。
【寒立馬(かんだちめ)】
青森県下北郡東通村尻屋崎周辺に放牧されている馬。青森の極寒にも耐えられるたくましい体格の馬である。南部馬の系統で足が短く胴が長くて、ずんぐりとした体形。
南部馬を祖とし、藩政時代から明治、大正、昭和に亘って主として軍用馬として外来種との交配によって改良されてきた田名部馬であり、なかでも、尻屋地区ではこの田名部馬をブルトン種と交配することにより改良されてきた~。(日本古来の在来種と間違われやすいのですが、寒立馬は、「純血種が絶滅してしまっている中・大型在来馬の南部馬」と「外来種」との交配になります)
一時期は頭数が9頭まで激減してしまったそうですが、現在は保護対策により40頭程に回復しているようです。寒立馬及びその生息地は青森県天然記念物に指定されています。
■名前の由来
昭和45年尻屋小学校長岩佐勉氏が、当時「野放馬」と称されていた馬を次のように短歌に詠みました。
東雲に 勇みいななく 寒立馬 筑紫ヶ原の 嵐ものかは
さらに、昭和43年尻屋崎が下北半島国定公園に指定され、訪れた観光客が「白亜の灯台と寒立馬」が織り成す牧歌的叙情風景に魅せられ、誰ともなく「寒立馬」として愛称され今日に至っています。ちなみにマダギ(狩人)たちは、カモシカが厳寒のなか動かず何日もじっとたたずむ姿を「かんたち」と呼んでいました。
(引用:青森観光情報サイトより)
下北半島の最東端にある。岬の先端には日本最大級の明るさを誇る白亜の灯台があります
青森県ならどこでも寒立馬にで逢えるわけではなく、下北半島の最北端にある、東通村の尻屋崎という場所で出逢えるようです。かなり人に慣れている馬たちなので、身近に観察することができるのも魅力です。温泉やねぶた祭り、十和田湖など魅力がいっぱいの青森。観光の時はぜひ寒立馬達に会いに行きたいですね!
日本には他にも、国や県などの天然記念物になっている日本固有の馬(在来馬、和種馬などと呼ばれています)がいます。北海道和種または道産子(北海道)、木曽馬(長野県木曽地域 )、御崎馬(宮崎県都井岬)、対州馬(長崎県対馬)、野間馬(愛媛県今治市)、トカラ馬(鹿児島県トカラ列島)、宮古馬(沖縄県宮古島)、与那国馬(沖縄県与那国島)。どの馬もポニーに分類される、小柄でずんぐりした体型の可愛らしい馬たちです。
左:御崎馬 右:木曽馬
「日本の馬に逢いに行く」、そんな旅も素敵かもわかりませんね。
written by Okanami
【尻屋崎・寒立馬】
https://www.aptinet.jp/Detail_display_00000049.html
【青森県観光情報サイト】
https://www.aptinet.jp/index.html