馬頭観音とは・・・・

馬頭観音とは・・・・

 クレイン本社では、毎年2月に『馬頭観音 祈祷・供養の儀』を執り行っております。各クラブの所長がスタッフを代表して参列、日本最大の馬頭観音御尊像のある妙光院(神戸)のご住職様にお越しいただき、レッスンの安全や馬達の健康、亡くなった馬達の冥福を祈り、安全のご祈祷いただいております。クレイン各クラブにも祀られている馬頭観音様ですが、どのような観音様なのか調べてみました。


<馬頭観音様の特徴>
 観音様の中でも唯一の憤怒の形相の観音様は、頭上には馬をいただき、第三の目を持ち、おもに三面六臂(三つの顔と六本の手)をしています。そして、馬頭観音様しか結ばない「馬頭印」いう特殊な印をむすんでいます(←親指、中指、小指を立てて、残りは指を曲げて手を合わせている)。実際に見た事がない人でも、この説明を聞くだけでなんだかかなり怖そうな観音様と思ってしまうかもしれません。しかし、実は「怒りの顔で「諸悪(苦悩や災難)を打ち砕いて食べつくしてくれる」「家畜などの動物の守り神」「道中の安全を守ってくれる」などといわれています。なんとも心強い観音様なのです!しかも怒りが強ければ強いほど救う力が大きいといわれているので、怒りの形相をしている観音様が多いのです。

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<六観音と六道>
 観音様といっても、様々な観音様が仏教界にはいらっしゃいます。死後の別世界の迷いある世界は6種類あるといわれ、それぞれの道の観音様の導きにより悟りの境地に導かれ、救われるとされているそうです。馬頭観音様は、馬だけではなく動物全般を担当する観音様です。

~6種類の死後の世界と観音様~
①地獄道→聖(しょう)観音
②餓鬼道→千手観音
③畜生道→馬頭観音 
※畜生とは、仏教においての人間以外の動物の事
④修羅道→十一面観音
⑤人道→不空羂索(ふくうけんさく)観音(天台宗)・准胝(じゅんてい)観音(真言宗)
⑥天道→如意輪(にょいりん)観音


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↑冥土への入り口といわれている京都の六道珍皇寺の六道の辻


それぞれの世界に担当部署?があるのは興味深いですね。また、同じ観音様でも、立っていたり、座っていたりそれぞれに違いがあるようです。

<庚申塔(こうしんとう)>

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 観音様というと、寺社の建物の中で祀られているイメージがあるかもしれませんが、実は馬頭観音様はとても身近にいらっしゃる存在でもあります。街道沿いや分岐点などにある、石碑、石仏や石塔の事を庚申塔(こうしんとう)といいますが、この庚申塔はお地蔵様などの他に、馬頭観音像も多くあります。人々の生活にいつも身近に存在し、長旅の道中を共にする馬達や旅人の安全を見守ってくれているんですね!

 ちなみに、ちょっと珍しいですが牛の頭を乗せた「牛頭観音(ごずかんのん)」も存在するようです。(※ただし、仏教の世界には存在しない観音様のようですが・・・)。調べるほど、奥の深い観音様の世界。皆さんの住んでいる地域にも、もしかするとひっそりと道端で観音様が見守ってくれているかもしれません。出会った時は、ご自身の交通安全や、大好きな馬達の健康や繁栄をぜひ願ってみてください。


※2021年の『馬頭観音 祈祷・供養の儀』は中止となっております。
 
written by Okanami

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