古代のロマン ~埴輪~
【祝!「百舌鳥・古市古墳群」世界遺産登録!】
大阪府藤井寺市、羽曳野市にまたがる古市古墳群、仁徳天皇陵などを含む百舌鳥エリア古墳「百舌鳥・古市古墳群」が、ついに世界遺産登録されましたね!クレイン大阪のある羽曳野市も、古墳グッズの販売やイベントで、大いに賑わっています。古墳というと皆さんは何を思い浮かべますか?代表的な前方後円墳の古墳のほか、やはり埴輪を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?私の場合、小さい頃にテレビで見ていた(←年代がばれてしまいますね(笑))「おーい、はに丸!」の、はに丸とひんべえがまっさきに浮かびます!今回は、馬形の埴輪も含め、愛らしいフォルムで古墳ブームを盛り上げている埴輪たちについて、調べてみました。
↑懐かしい!そして可愛く愛らしいキャラクター はに丸とひんべえ
http://www.nhk-character.com/
【埴輪の種類】
古墳時代、有力者の墓である古墳に並べられた、家や動物、人などを形どった焼き物を「埴輪」といいます。埴輪は大きくわけると①葬送儀礼用の特殊な土器である「円筒埴輪」数十センチのものから2メートル近いものまで、大きさも様々と、②「形象埴輪」といって、人物や動物をかたどった埴輪の2種類に分かれます。
「形象埴輪」の中でも「人物埴輪」は武人(はに丸君ですね!)、貴族、農民、巫女など、様々な職業の人をモデルにつくられたもの。そして「動物埴輪」は古代にいた動物をモデルにつくられたもので、馬だけではなく、鳥や猿、魚のほか、首輪をつけた犬等もみつかっているそうです!その他に現世と死後の世界をつなぐと考えられていた「家型埴輪」、武器や器財の「器財埴輪」などがあります。
↑「馬形埴輪」は「動物埴輪」の中でもっとも数が多く、他の動物埴輪にはない豪華な装飾をもつことが特色です。
考古学的知見からすると、古墳時代の三区分法の中期、絶対年代で五世紀に重なる頃から乗馬をしたと察せられるものが現れ、六世紀初頭には広範囲に行き渡るという。古墳時代後期になると1000を優に超える古墳から馬具が出ているそうで、馬を象った埴輪も多い。
引用:https://kodakana.hatenablog.jp/entry/2016/03/13/225227
【馬形埴輪】
馬は当時の人々のステータスを表す一つの象徴で(現代でいうと高級外車みたいなものでしょうか!)所有する馬の頭数は地位が高い人ほど多かったようです。なので、馬形埴輪は農耕や、戦闘の装具ではなく、煌びやかに豪華に装飾し、古墳には数多く並べて故人の偉大さをアピールするものとして残っています。
一つ一つの馬形埴輪には、細かい装飾が施され、手綱、鞍、鐙、胸がいなどのほかに、飾りとしての馬鈴なども付いています。乗馬をされる方はじっくり観察していただくと現代の乗馬と同じ道具やつながる部分も多いので興味深いと思います。
人類は乗馬の他に、古来、耕作・戦闘などのさまざまな場面に馬を利用し、それぞれに相応しい馬具を使い分けてきました。たとえば、東アジアで戦闘に用いられた馬には馬鎧が装備され、文献記録や高句麗の古墳壁画は5世紀頃の騎兵同士の激しい戦闘の様子を伝えています。ところが、日本列島の馬形埴輪には耕作・牽引などに適した馬具は付けられていませんし、ましてや大陸の騎兵にみられるような激しい戦闘に耐えるような装備はほとんど見当たりません。
引用:東京国立博物館 https://www.tnm.jp/
一見ゆるキャラのような可愛いフォルムに沢山の古代のロマンがつまっている「馬形埴輪」。ぜひ、お近くに博物館などがある方は、実物を見に行ってみてください。
written by Okanami