重種vol.2 「憧れの馬車 クライズデールの旅」

重種vol.2 「憧れの馬車 クライズデールの旅」

 こんにちは、前回は優しくて力持ちの馬「ペルシュロン」を紹介しました。馬の種類のなかでも「重種(じゅうしゅ)」は、とにかく体が大きめで、力持ち、そして気性が優しいので、昔から人間の生活とは身近な存在でした。「ペルシュロン」のほかにも、有名な品種があり「クライズデール」もその一つです。

【クレイズデール】
品種:重種
原産:イギリススコットランド地方
体高:163㎝~約183㎝ぐらい
体重:約800~900k

 体格はペルシュロンと比べると少し小さめで、頭の幅はサラブレッドと比べると、かなり特徴のある幅広の顔に、フサフサの白い毛がなんともいえずキュートなフォルムです。

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↑日本でもこんな光景がたくさん見ることができたらいいのに!

【馬車としての活躍】

 1820代の蒸気機関車の発明がされるまでヨーロッパでは、馬達は輸送手段として活躍していて、クライズデールも馬車のほか、物資を運ぶ馬車、牛乳配達から葬儀用の棺を引く馬車まで様々なシーンで見ることがでしました。昔の映画でも、現代でも、ヨーロッパでは大人気の馬車ですが、ふと、日本にはそんな馬車文化がないことに気づき、不思議に思い調べてみると、諸説あるようですが①日本にはもともと在来馬が少なかった②山地の多い地形、馬自体が高価な生き物であった➂馬は神の使い「神馬」として敬われていた。など、様々な理由が考えられるようです。
 ただ、日本での馬車の活躍は全然なかったのかというわけではなく、かつて馬車鉄道という、客車を馬が牽引していたことがあり、東京では明治15年に(その後の都電の全身)群馬県では明治21年に碓氷馬車鉄道が開業。御者が真鍮のラッパを「トテトテ~」と鳴らしながら走ったので「トテ馬車」とよばれていたそうです。観光馬車としての「トテ馬車」もかなり減少しつつあるようで、いつか日本では見ることができない日が来てしまうのかもしれません。残念ですね。

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 ↑現在は観光馬車としてわずかに残っているトテ馬車
 
【ケルピー像(スコットランド)】

 世界の重種のことを調べていたら...素敵な像を発見しました!スコットランドフォルカーク郊外にある「ケルピー像」なんと、このスチール製の像は高さ約30メートル、重さは約600tもある巨大な像なんです!(どちらも世界記録)。見た目は馬ですが、この「ケルピー」実は、様々な生き物や植物に変化するスコットランド地方では有名な水の魔物で、旅人たちをだまし、湖に引きずり込んでしまうという恐ろしい伝説があります。作者の彫刻家アンディ・スコットはケルトの古くから伝えられる伝説を表し、何にでも変化できるケルピーの姿をあえて馬にしたのは、スコットランド原産のクライズデールをデザインすることで産業と経済のパワーを象徴としたからだそうです(モデルの2頭は実在するクライズデール)
世界中で愛される大きな馬たち重種。これからも、その血が絶えることなく、人間とともに仲良く共存してほしい存在ですね。
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written by Okanami

参考
コトバンク ケルピー像ウキペディア ナレッジキャピタル

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