寒い日もホカホカ!?馬と動物たちの体温

寒い日もホカホカ!?馬と動物たちの体温

 春の足音が聞こえてきているものの...まだまだ寒い日がありますね。お鍋でも食べて体を温めたくなります。「温活」という言葉もブームになりましたが、暖かい体を保つことはとても大切で、人間は平均体温が1℃あがると、最大で5倍~6倍も免疫力が上がり、逆に1℃下がると30%免疫力が下がるといわれています。人間にとって生きていくうえで重要な「体温」、馬達の体温はどうでしょう?

■平熱
<人間>
 人間の約36.5~36.89℃、年齢や1日に中でも変動し時間帯により変わります。睡眠中は低め、昼間が1番高く、乳幼児期は大人より高く、加齢が進むと体温が下がります。
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<馬>
 安静時で37.0~38℃ぐらい。人間と同じく、成馬に比べると若い馬のほうが若干高くなります。人間より少し高い馬の平熱。運動すると冬は体から湯気が出るくらいぽかぽかになることも!馬の首に抱きついた時の、暖かい感じはたまりません。犬や馬など、動物たちに触れると人はリラックス効果のあるホルモンが出るそうですが、きっとこの暖かさからも癒しをもらっているからでしょうか?ちなみに、馬達も人間のように、体調不良時は発熱もします。獣医は馬の発熱の状態(型・タイプ)などから、症状を診断することもあるので(肺炎、伝染病、中毒atc)体温は重要な診断材料になります。また、運動後などはかなり体温が上昇する事もあるので、夏場の熱中症対策は欠かせません。水で体を冷やしてあげたり、扇風機を当てて体を冷やしてあげる対策などを行います。
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<馬の熱の測り方>
 犬や猫を飼っている方はご存じかもしれませんが...そうです、肛門に体温計を差し込んではかります。まれに嫌がる子もいますが、たいていは慣れて気にせず測らせてくれます。以前は水銀の体温計でしたが、最近は電子体温計も普及しあっという間に計測できるので楽になりました!ほかの動物も気になって、体温の測り方を調べていたら...ちょっとびっくりするものが!ゾウの体温は排便直後の便ではかるそうです、また、畜産の世界では鶏の羽の根元にセンサーを取り付け、常に体温や運動量を計測できるシステムなども開発されているそうです。驚きますね!
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■汗の話
 汗をかくことと、体温はつながっていて、汗腺をもたない鳥類や、足裏からしか汗をかかない犬猫などと違い、馬は全身から汗をかく動物です。全身から汗をかく=体温調節に秀でている。汗のおかげで馬達は熱くなった体の熱を外へ放出します。全身びっしょりと汗をかけるという点では、馬はとても人と似ています。馬も人も、汗をかくという体温調節の能力があるからこそ、長時間走ったり(マラソンやエンデュランスなど)運動をすることができます。

■いろいろな平熱
 人<馬<犬猫<豚<鳥 人間と動物たちの平熱を順番に並べてみました。なんと、鳥の平熱は40~42℃。人間と比べるとそれぞれかなり差があります。これは同じ哺乳類などでも、筋肉量や運動量の差からきていて、その量が多いほど体温も高くなるそうです。42℃...人間だったらぐったりですが、鳥にとっては空を飛ぶための重要な「熱」なんですね。

 いかがでしたか?馬に触れる機会がありましたら、ぜひ「38℃くらいかな?」と(笑)予想しながら、そっと触れてみてください。馬の体温、息遣い、美しい瞳、耳やしっぽの様子など、ぜひじっくり観察してくださいね!

written by Okanami

参考ページ
やさしいLPS 日本馬事普及 産経ニュース 馬の学校 日立市かみね動物園

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