【蹄なくして馬なし】

【蹄なくして馬なし】

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「蹄なくして馬なし」これは、馬に関しての有名な格言です。馬の蹄は1ヶ月で1㎝ほどのびます。人の爪と同じ「角質」でできている馬の蹄は痛覚がなく、蹄鉄を釘で打っても痛さは感じません。蹄鉄を蹄に留めることで馬達は蹄を守られていますが、蹄鉄のメンテナンスだけではなく、爪自体のお手入れもとても重要になります。人間にとって、爪のお手入れや靴のメンテナンスが、両方大切なのと同じですね。今日は、夏のシーズンの馬のお手入れについて、蹄のケアを中心にお話ししたいと思います。
 

<蹄まわりの基本のお手入れ方法>
①レッスン後は蹄を中心に足周りの泥汚れなどをしっかり落とし水洗いをする。蹄の裏にあたる爪のくぼみは、しっかりとテッピ(蹄のお手入れ用の道具)で裏掘りをする。※蹄がもろくなってしまうので、お湯は使わない。
垢や汚れが溜まりやすい管(球節という丸い関節部分の上のまっすぐの部分)などもしっかりよごれを落とします。

②タオルなどでよく水分をふきとる。※蹄はとにかく湿気が大嫌い。湿度の高い日本では特に注意しましょう。足もとが濡れている状態で厩舎に戻さないようにしましょう。

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<蹄油について>
 人間の爪同様、蹄にとって乾燥は良くないのですが、逆に湿気がありすぎたり、濡れたままの蹄が柔らかい状態も蹄には悪影響となります。蹄は夏場のほうが伸びやすく、また湿度などにより軟らかくなりがちです。馬の蹄のオイルケアとして使われる蹄油は、季節や爪の状態、天候により、必ずしも毎回(毎日)塗るものではないので、ご注意ください。夏場や雨の日は塗らないほうが良い事がありますので、レッスンに参加される会員様等、お手入れをする機会のある方は、指導員にご確認くださいね!


<馬の汗と丸洗い(シャワー)について>
 夏場はたっぷり汗をかく馬達。泡のように白っぽく見えるものも汗で、ラセリンとよばれる体温調節を効率よく調節できる物質が含まれています。この白い泡のような汗は病気ではなく、馬の正常な状態なのでご安心くださいね!

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 汗をびっしょりかいた一日の終わりには、蹄のみではなく、全身をシャワーしてあげて清潔に保つのも大切です。
・シャワーをかけてあげる時は、心臓から遠い部分から。
・タオルでふく前に「汗こき」などでまず水気をとります。
・蹄同様、体の水分もタオルなどでしっかりと拭き取る。お腹周りは乾きにくいので注 意。
・たてがみのかかる部分や、汗の溜まりやすい股の部分、汚れがやフケの溜まり易い場所は特に注意してお手入れをしてあげる。
・顔や耳、目の周り等も固く絞ったタオルなどでしっかりと汗や汚れ拭き取る。

↑のようなポイントに注意しながらお手入れをしてあげてください。



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 夏場は馬達も熱中症などに注意!レッスンやお手入れの前後には、バケツたっぷりのお水をあげてください。喉が渇いている時はあっという間に飲み干してしまうと思います。また、厩舎に帰す時は、ウォーターカップ(馬の水入れ)に餌などが入ってしまっていて水が汚れていないかなどもチェックをよろしくお願いします。沢山の水分と、厩舎に用意されている硬塩をなめることで、馬達は水分・塩分を補給して夏を乗り切ります。

 これから夏本番!馬も人も気持ち良く運動できるよう、体調管理、お手入れ方法に注意しながら過ごしましょう!

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