『馬にあわせる・・・』 アジア大会選考会選手たちへのインタビュー

馬術競技・大会

こんにちは、高橋です。
本日は先日インタビューした内容をお届けします。
まずは、根岸選手。2日目終了後、選手や大会運営スタッフたちみんなでバーベキューをする中、リラックスした雰囲気の時に聞いたのですが、さすが、馬のこととなると口調が変わり真剣な回答が返ってきました。
「 」内が根岸選手コメントです。
-まずは1日目、2日目と終わってどんな感じですか?
「1頭目のバーリントンスターは1日目は今までにないくらい、一番良かったと思います。今まで3回出ているのですが、演技は一番ちゃんとできたと思います。今日の野外は、予測はある程度していましたけど、多少物見をされて、結果的にはタイムオーバーだけだったので、2日目を最後まで終えられたのは、すごく良かったと思います。
シュシュートは馬場が自分で思っていたより結果が良くなくて、多分調整の問題もあると思うんですけど・・・自分のここでこうなると思っていたところがならなくて、次の競技に向けての課題だと思います。野外は馬と人の信頼ができていて、すごく良かったです。来月の競技も野外は自信を持っていけると思います。」
※根岸選手はシュシュート、バーリントンスターの2頭で出場していました。野外はクロスカントリー競技のことです。物見とは障害物を警戒して見たりすることです。

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馬場馬術競技に出るときは、たてがみを編みこみます。準備中のアージュドール。
-今までもたくさんの馬と関わってきたと思いますが、やはり馬との相性とかあるんでしょうか?
「相性は基本的には自分で合わせていかないと、どうにもならないと思うんですね。馬に人のほうを向かせるのは、当然必要ですけど、でも、人は一人だけど馬はたくさんいるわけだから、人がその馬に対して合わせていく努力をしなければならないです。
お互い寄り添わないと競技は成り立たないと思うので、馬に向いてもらうと同時に人も馬に対して近づいていかないとダメだし、そのコミュニケーションは、1年ちょっと乗っているシュシュートはだいぶコミュニケーションがとれてきたけど、もう1頭のバーリントンスターは、まだちょっとコミュニケーションが取れていないとは感じますね。」
-どういう点でコミュニケーションが取れていないと感じますか?
「まだ人の指示のほうが強いと思うので、こちらからの指示に対してどう向いてくるかというか、話し合いが成立していないというか、長いこと乗っていたらこうしたらこうするんだよということがわかるんですが、まだそれがない。でも、全部が全部囲いにはめると馬の良さも出せないから、囲いにはめないところで、ちょっとずつ馬にあった話し合いをして、時間をかけていかないといけないと思います。」
-今後2大会はどう臨んでいこうと思いますか?
「予選会なので、本大会は4人しか出られませんから、1位ははっきりいったら狙っていないです。まだ、そこまで馬とのコミュニケーションも取れていないですし、馬と人のレベルがあるから、でも4人に入れるところまで持っていけると思うので、そこを狙っていこうと思っています。」
※アジア大会選考競技会は6/11~ CCI1* Miki、7/11~全日本総合馬術大会とあと2大会行われ、3大会の内容により人馬が選考されます。

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厩舎から顔を出している馬たち撮ろうとしたら、一番手前にいたケレシンパイレーツが興味津々でカメラに鼻を近づけてきました。チョコレートは嫌がったのに・・・
続いて、永松選手です。3日目の朝、ホースインスペクションの前にお話しを伺いました。朝からさわやかです。
「 」内が永松選手コメントです。
-今回はケレシンパイレーツで出場していますが、パートナーとなってどれくらいですか?
「えー、約1年くらいですね。」
-オーストラリア生まれですか?
「そうですね、オーストラリア生まれ、7歳です。」
-7歳!
「ちょっと、まだ、若いです。」
-1日目と2日目が終わって感触はどうですか?
「初日の馬場は、前回までよりもいいコンディションで、馬の状態も良く、臨めたんではないかと思います。ちょっと数か所ミスがあった以外は、ベースは先月までよりは良くなってきているので、これからの調整で、来月はもうひとついい位置に行けるかなと思います。
今回だけで言えば、ベースが良かっただけにミスがあったのが残念だなという感じです。
野外のほうは、もともと大きいクラスでは使っていなかったんですけど、こっちに来てワンスターまで上げて、だいぶ馬との折り合いもつくようになってきているので、非常に安心してというか、馬を信頼して走れるような状態になってきているので、野外に関しては馬を信用して走れるようになってきています。」
※総合馬術には大会のクラス設定があり、CIC(Concours International Combiné)は1*(ワンスター)から3*(スリースター)まであります。3*が一番クラスが上になり、内容も難しくなります。
-野外を信頼して走れるというのは、どいうところで感じますか?
「そうですね、ケレシンパイレーツに関して言えば、行け!と言ったときに行けるし、待てと言ったときに待てるし、野外を走りながらのコントロールがききやすくなってきているので、いざというとき前後のコンタクトが上手くいきますね。
あとは障害に対して馬が前向きなので、躊躇して止まるかもしれないという不安が他の馬に比べてないです。人がコントロールして飛びやすい状態で馬をアプローチしていくことだけに集中できるので、余計な心配がないです。」

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こんなこともあります。障害の向こう側に広がる水面が怖くて、馬がキーっとブレーキをかけました。
-障害を飛ぶのが好き!?ということですか?
「うーん、好きなんですかね・・非常に前向きではあります。止まろうという感じは、今のところあまりないですね。大きな失敗がなければ、馬が助けてくれるかなという安心感はあります。」
-あと2大会はどのように臨んでいこう思いますか?
「初日のドレッサージュ(馬場)で上位にいないとなかなか勝負できないので、なかなか2日目3日目で順位が大きく入れ替わるということはないので、とにかく馬場の調整というか、馬のクオリティーをあげていくトレーニングに集中してやっていきたいと思っています。野外と障害は現状を維持していけば、問題ないと思います。」

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永松選手は他のクラスにも出場していました。画像はノービス競技の表彰式待ち、馬を気遣い日陰で待ちます。手前が永松選手とロードグレイシアです。2位に入りました。
そして、最後は北島選手です。同じく3日目朝、ホースインスペクション前にお話を伺いました。
このあと障害馬術競技を終えて1位になるわけですが、このときはまだ2日間の自分のミスを反省してばかりで「人的ミスが・・・」を繰り返していました・・・
「 」内が北島選手コメントです。
-今回は3頭の馬で出場していますが、それぞれ組んでどれくらいですか?
「リアクションは丸1年ちょっとですね。チョコレートとデラーゴは総合の試合は3回目です。それ以外ではクレインオリンピックパークで開催していた障害と馬場の競技を経験しています。」
※北島選手はクラッシックリアクション、デラーゴ、ジャストチョコレートの3頭で出場していました。
-やっぱり、それぞれの馬によって個性や特徴はありますか?
「はい、違います。例えばリアクションは重ためのボーっとした感じ、デラーゴだとすごい繊細ですし、チョコレートも神経質なところがあるし、品種も違うのでちょっとずつ違います。」
-どんな品種なんですか?
「リアクションがサラミックスで、デラーゴがサラブレッドで、チョコレートがアイリッシュスポーツホースですね。」
-アイリッシュスポーツホースといえば、オリンピック総合馬術でも聞いたことがある品種ですね
「ヨーロッパの血でニュージーランド生まれ、オーストラリア育ちですね。」
-それぞれ何歳なんですか?
「リアクション10歳、デラーゴ11歳で、チョコが12歳。」
-1日目2日目終わってどうですか?
「いや、馬はいい仕事をしてくれていて・・・ライダーのミスで・・・だけです。
馬はほんと、いい状態です。」
-馬に助けられたという感じですか?
「馬に助けられっぱなしです。ほんとに助けられっぱなしです。」
-あと2大会はどのように臨みますか?
「もちろん常に上位にいないと選ばれないだろうというのはありますし、デラーゴに関しては、今回野外で、もうほんとに人的ミスでぎくしゃくぎくしゃくしてしまったので、来月、再来月、馬のいいところを引き出せたら、充分勝てる馬なので、いいところを出してあげたいですね。」
-そのためにはどんなトレーニングを
「精神的に今回ほんと、自分で弱いなと思うところがあって、緊張していないつもりだけどかたくなっているところがあって、ほんとに精神的に自分で弱いと思ったので、なかなかそういうところを鍛えるというのは難しいと思うんですけど、平常心平常心・・で、どこかで変なプレッシャーを自分自身にかけているみたいですね。」
-人が課題ということでしょうか。
「そこが改善できたら、馬はいいことをしているので、自然と良くなるはずです!」
以上選手たちへのインタビューでした。
実は今回の総合馬術大会はヤング・ジュニア・チルドレンライダーの選手権競技もありました。
乗馬クラブクレインからも、3名の選手たちが出場していました。
総合馬術をはじめて1カ月の吉岡 尭祐さん(16歳)「クロスカントリーは気持ちよく走れた。」と、「今のような大きい馬に乗れるように、どんな障害も怯まずに飛びたい。」と話していた楠本 将斗さん(13歳)、野外が楽しいという松本 菜那さん(16歳)「馬が好きだから、楽しく遊びながら乗っていきたい。」と話していました。
もしかしたら、2020年オリンピックは彼らの舞台になるかもしれませんね。
もちろん、今からでも乗馬は始められますよ。
少し長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
高橋